早稲田大学商学部と上智大学経済学部はどんな大学?

基本情報
項目 | 早稲田大学商学部 | 上智大学経済学部 |
---|---|---|
学部設立 | 1949年 | 1948年 |
所在地 | 東京都新宿区西早稲田1-6-1(早稲田駅) | 東京都千代田区紀尾井町7-1(四ツ谷駅) |
学部理念 | 本学部では学識および実業両面の修養を兼ね備えた「学識ある実業家」を送り出すという理念を実現するため、一定の高い基礎学力を持ちながら、知的好奇心が旺盛で、自分で計画を立て、種々の課題に積極的に立ち向かう意欲に満ちた個性的な学生を、全国各地や世界中から多数受け入れることを基本方針とする。 | 本学部は、キリスト教ヒューマニズムの精神を基盤とし、現代社会の諸問題に対して、経済学と経営学を基礎とした複眼的な視点から判断して適切に対応できる能力を養い、グローバルな社会に貢献できる人材の育成を目指しています。 |
早稲田大学商学部は、1904年に設立された日本最古の商学部の一つであり、国内外で高い評価を受けています。QS世界大学ランキングではビジネス分野で常に上位に位置し、特にアジア圏でのブランド力は圧倒的です。カリキュラムは経営・マーケティング・会計・ファイナンスなど多岐にわたり、幅広いキャリアに対応可能です。実証的なアプローチと国際的視野を重視しており、ダブルディグリー制度や英語で学べる科目群も整備されています。多様な専門教育を通じて、理論と実務の両面からビジネスを深く学べるのが魅力です。
上智大学経済学部は、1986年設立と比較的新しい学部ながら、国際性と少人数教育に定評があります。経済理論に基づく論理的思考力を養いながら、実社会で役立つ応用力も重視しています。特に英語による経済科目や交換留学制度が充実しており、グローバルな視点で経済を学ぶ機会が豊富です。キリスト教精神に基づく人間尊重の教育理念のもと、倫理観と社会的責任を重視した経済学教育が展開されています。国際機関やNPO、外資系企業を志す学生にも適した環境です。
大学の規模
早稲田大学商学部の学生数は900名で、私大の中でも最大級の規模を誇ります。1学年あたり1200名超の学生が在籍しており、多様な価値観や背景を持つ学生が集まることで、学内においてもグローバルな視点が自然と育まれます。履修制度は非常に柔軟で、経済学部や国際教養学部など他学部の授業も横断的に履修できる点が特長です。ゼミや研究会、起業支援、国際交流活動も非常に盛んで、大規模であることがむしろ学生にとって多様な成長機会を生んでいます。
上智大学経済学部の学生数は330名で、早稲田と比較すると小規模ですが、そのぶん教員との距離が近く、密度の高い教育が提供されています。少人数制を生かした丁寧な指導が特徴で、討論形式の授業やゼミ活動が活発です。キャンパスもコンパクトで学部間の垣根が低く、異なる分野の学生との交流も盛んに行われています。小規模な学部ゆえに、一人ひとりの希望に寄り添った進路支援やアカデミックアドバイスが可能であり、集中して学びたい学生に適した環境です。
男女の比率
早稲田大学商学部は、男女比がほぼ均等であり、近年では女性の比率がやや上昇傾向にあります。2023年度のデータでは女子学生の割合は約45%に達しており、性別に関わらずビジネス分野への関心が高まっていることがうかがえます。特にゼミや学生団体では女性がリーダーシップを発揮する場面も多く、多様な価値観を受け入れる文化が根付いています。性別にとらわれないキャリア形成支援も充実しており、女性起業家支援プログラムなども展開されています。
上智大学経済学部はやや男性の割合が多い傾向にありますが、全体としてバランスの取れた構成です。2023年度の比率では男性約60%、女性約40%とされており、講義やゼミでは性別に関わらず活発な意見交換が行われています。特に国際系の講義やフィールドスタディには女子学生の参加も多く、将来を見据えて積極的に学びの機会を活用する姿勢が見られます。少人数制であることから、性別に関係なく一人ひとりの意欲や関心が尊重される風土が築かれています。
初年度納入金
早稲田大学商学部の初年度納入金は126.6万円で、私立大学文系学部としては平均的な水準です。内訳としては授業料に加えて教育充実費や施設費が含まれており、先進的な学習環境の整備や実践型プログラムの運営にも資金が活用されています。また、経済的支援制度が充実しており、成績優秀者を対象とした奨学金や海外研修補助制度など、多様な選択肢が用意されています。
上智大学経済学部の初年度納入金は138.5万円で、こちらも私大文系として標準的な範囲に収まっています。教育水準の高さに対する費用対効果は非常に高く、少人数教育や国際的プログラムが納入金に見合った価値を生んでいます。加えて、学内外の奨学金制度が豊富に整っており、経済的な理由で進学を諦めることのないような支援体制が整えられています。
SNSでの評価
早稲田大学商学部に関するSNSでの評判は概ね良好で、「自由な校風」「チャレンジできる環境」「学生の多様性」などがキーワードとして挙げられます。X(旧Twitter)やYouTubeでは在学生による情報発信が活発で、ゼミ紹介や就活体験談、学園祭の様子などを知ることができます。リアルな声が届きやすい点も、受験生にとって大きな安心材料となっており、学部の透明性が高い評価につながっています。進学後のイメージとのギャップが少ないという点も好意的に受け止められています。
上智大学経済学部は「落ち着いた雰囲気」「学問に集中できる環境」「面倒見の良さ」といったキーワードがSNS上で見られます。Instagramでは四ツ谷キャンパスの洗練された景観とともに、ゼミ活動や留学経験が紹介されており、知的で国際的な学生生活を送る様子が伝わってきます。情報の発信頻度は早稲田に比べて控えめながら、質の高い投稿が多く、少数精鋭で充実した大学生活をイメージさせる内容となっています。
合格難易度(偏差値・倍率)

偏差値(マナビジョン)
早稲田大学商学部の偏差値は78で、全国上位0.26%、約391.4人に1人という非常に高い難易度を誇ります。受験においては、英語・国語・地歴または数学といった3科目型の一般選抜方式が主流で、特に国語と英語の得点配分が高いため、読解力と論述力、さらには語彙や論理構成力までが幅広く問われます。問題文の長さや設問の多様性に加え、記述式や選択肢の応用的な出題が多く、単なる知識の暗記だけでは太刀打ちできません。また、商学という人気分野に加え、就職・社会的評価の高さから、全国から優秀な受験生が集まり、毎年熾烈な競争が繰り広げられています。特に併願校として明治大学・慶應義塾大学・上智大学なども視野に入れる受験生が多く、早慶上智グループの中でも文系最難関の一角として知られています。模試判定でのA・B判定でも油断は禁物で、実戦形式の演習と弱点補強を繰り返すことが合格への最短ルートです。過去問演習を徹底することに加えて、日頃から論理的思考を鍛えておく必要があります。
上智大学経済学部の偏差値は74で、全国上位0.82%、約122人に1人という難易度に位置しています。受験方式としては、一般選抜のTEAP利用型や共通テスト併用型、学部独自の英語運用力を問う問題などがあり、特に英語の得点比重が高いのが特徴です。上智ならではの国際性を反映した出題傾向が見られ、語彙力や論理的な文章理解力を問う設問が多く、英検やTOEFL、TEAPなど外部英語試験との相性も重視されます。国語においても、現代文の論説文・評論文を中心に論理的な読解力が問われ、漢字や語彙、文脈判断といった基礎力が不可欠です。社会科目(政治経済・世界史・日本史など)は典型問題と応用問題がバランスよく配置されており、教科書内容を確実に理解しておくことが重要です。出題傾向がやや独特なため、過去問の傾向分析やTEAP対策に特化した学習が効果的で、早慶志望の併願先として上智を選ぶ受験生にとっては、方式や配点の違いに対応した柔軟な対策が求められます。
倍率
早稲田大学商学部の倍率は7.9で、全国の文系学部でも屈指の高さを誇ります。志願者数が多く、記念受験層から実力派まで幅広い層が出願するため、実質倍率以上に競争は厳しいものとなっています。特に一般選抜においては、高得点を取ることが前提とされ、1点差で合否が分かれることも珍しくありません。対策には早期からの準備が求められます。
上智大学経済学部の倍率は4.4で、方式ごとのばらつきはあるものの、安定した人気を保っています。共通テスト利用型や英語資格利用型など複数の選抜方式があり、それぞれで対策が必要です。全体としては堅実な受験生が多く、しっかりとした準備をすれば十分に合格が狙える構成となっています。適切な方式選択と出願戦略が合否の鍵となります。
卒業後の進路

有名企業の就職率
早稲田大学の有名企業就職率は36.7%で、全国でもトップクラスの高さを誇ります。特にメガバンク・大手商社・広告代理店・外資系企業などへの就職実績が豊富で、商学部としての専門性を活かした進路選択が可能です。就職支援体制も充実しており、キャリアセンターによる個別相談やOBOG訪問支援、学部独自のインターンシップマッチング制度などが整っています。民間企業への就職にとどまらず、公務員や海外就職など幅広い進路にも対応している点も大きな強みです。
上智大学の有名企業就職率は33.6%で、私立大学の中でも安定した実績を持ちます。英語力を活かしたグローバル企業への就職が多く、外資系金融・コンサル・メーカーなどへの就職も目立ちます。少人数制の利点を活かして、学生一人ひとりにきめ細かな就職支援が行われており、模擬面接やエントリーシート添削、企業研究セミナーなども充実しています。上智ブランドと語学力の高さを活かしたキャリア形成が可能で、国際舞台での活躍を視野に入れる学生にとって魅力的な環境です。
主な就職先
EY新日本有限責任監査法人(14名)
東京海上日動火災保険(13名)
日本IBM(20名)
(株)リクルート(20名)
早稲田大学商学部の主な就職先としては、ベイカレント・コンサルティング(17名)、EY新日本有限責任監査法人(14名)、東京海上日動火災保険(13名)などが挙げられます。特にメガバンクや大手保険会社、五大商社といったビジネスの中枢を担う企業に強く、OB・OGのネットワークも豊富に活用されています。実務に直結するゼミやインターンシップ、資格支援制度などが充実しており、それぞれの志向に応じた進路選択が可能です。
上智大学経済学部の就職先には、アクセンチュア(株)(29名)、日本IBM(20名)、(株)リクルート(20名)などがあり、語学力と論理的思考を活かした就職が目立ちます。少人数制による手厚い指導と、キャリア支援体制の強さが学生の希望進路実現を支えています。
進学率
早稲田大学の進学率は5.38%で、主に早稲田大学大学院商学研究科・経済学研究科への進学が多く、経済学や経営学の専門性をさらに深めたい学生が多く在籍しています。公認会計士や中小企業診断士など難関資格を視野に入れた進学や、海外MBA・経営系大学院への進学希望者も一定数存在し、進路の多様性が特徴です。進学者向けの支援プログラムも整備されており、研究指導や英語論文のサポート体制も充実しています。
上智大学の進学率は6.40%で、上智大学大学院経済学研究科や国際関係関連の大学院への進学が中心です。経済学と国際問題を組み合わせた分野に強みがあり、国際機関や研究職を志望する学生にとって有利な環境が整っています。ゼミによる研究支援やプレゼンテーション機会も豊富で、大学院進学のための学術的素養が体系的に養われています。
留学生

受け入れ状況
早稲田大学の留学生数は5488名で、全国の私立大学の中でも特に国際色豊かな環境を構築しています。アジア圏を中心に、欧米・中東・アフリカなど多地域からの学生を受け入れており、商学部内でも留学生向けの英語講義やバディ制度が整備されています。学部レベルでの交流イベントやフィールドワークも充実しており、多文化共生の実体験ができるのが特長です。国際志向の強い学生にとって、英語力だけでなく異文化理解力を養う格好の場となっています。
上智大学の留学生受け入れ数は2480名で、欧米やアジアの協定校からの交換留学生が中心となっています。経済学部内にも英語開講科目が多く、学部生との混在授業によって日常的に異文化に触れる環境が構築されています。国際協力・開発経済といった分野に関心を持つ学生が多いため、議論のテーマもグローバルな視点を反映したものが多く、留学生と日本人学生が対等な関係で切磋琢磨する姿が見られます。
海外提携校数
早稲田大学は海外提携大学を432校持ち、アジア・欧州・北米を中心にネットワークを広げています。語学研修や短期留学に加え、専門分野に関連する派遣制度も整っており、留学前後の学修フォローも充実しています。学部独自に提携するプログラムもあり、早稲田ビジネススクールや海外経営大学院との接続性も評価されています。
上智大学の提携大学数は409校で、特にアメリカ・オーストラリア・欧州圏との交換留学が盛んです。学部独自の短期・長期プログラムに加えて、海外インターンシップや協定校派遣制度も充実しており、国際経験を積みたい学生にとって好機が多く存在します。語学力を活かした実践的な国際教育が根付いている点も大きな魅力です。
結局早稲田大学商学部と上智大学経済学部のどちらが良いか

総合的に見ると、早稲田大学商学部はその伝統と実績、就職先の広さ、ネットワークの強さにおいて圧倒的な存在感を放っています。特にビジネス分野でのキャリアを強く志向する学生には、多様なゼミや課外活動、実践機会が豊富で、自らの努力次第で飛躍できる環境が整っています。早慶上智の中でもトップレベルの進学先として、志の高い学生にとっては挑戦しがいのある学部です。
一方、上智大学経済学部はコンパクトながらも質の高い教育と国際的な環境を兼ね備えており、特に少人数で手厚く指導を受けたい学生や、英語力を武器に国際機関・外資系企業などを目指す学生にとっては最適な選択肢です。落ち着いたキャンパスでの密度の高い学びと、就職・進学の実績のバランスの良さも光ります。ブランド力や学生数、知名度では早稲田に軍配が上がるものの、個別対応や国際教育に魅力を感じるなら上智も非常に有力な選択肢と言えるでしょう。