慶應義塾大学経済学部と法政大学経済学部はどんな大学?

基本情報
項目 | 慶應義塾大学経済学部 | 法政大学経済学部 |
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学部設立 | 1949年 | 1949年 |
所在地 | 東京都港区三田2-15-45(三田駅) | 東京都町田市相原町4342(めじろ台駅) |
学部理念 | 本学部の教育目標は、世界を先導する次代の経済人を育成することです。そのためには、経済学の基本原理に対して確固たる知見を持つとともに、それを応用・実践できる能力を養い、さらに経済学のみに特化するのではなく幅広い領域の学識を身につけた人材を育てることが不可欠であると考えています。 | 本学部は、本学部設置の理念・目的を果たすべく、経済学の研究、および、それに関連する周辺領域の研究に貢献し、その研究成果を社会に還元していく。そして、教育面では、経済学を基礎から応用まで学ぶことで、現代社会を全体的、かつ批判的・創造的にとらえ、社会の発展に貢献する社会のリーダーを養成、輩出していく。 |
慶應義塾大学は1949年に創設された、日本最古の私立大学です。最寄駅は三田駅で、アクセス性にも優れています。経済学部は、自由・自律・実学の精神をもとに、実証的経済学とリベラルアーツ教育を融合した人材育成を目指しています。法政大学は1949年創設の伝統校で、めじろ台駅を最寄駅とする都心型キャンパスに立地します。経済学部では、社会との接点を重視した実践的な教育を行い、現代経済の理解と応用力を兼ね備えた人材を育成することを理念としています。
大学の規模
慶應義塾大学経済学部の学生数は1200名で、私立大学の中でも大規模な学部の一つです。学部内には多様なゼミナールや履修選択肢が整っており、学際的な学びが可能です。経済・経営・政治といった周辺分野と横断的に学ぶ学生も多く、規模の大きさが学びの自由度に直結しています。法政大学経済学部の学生数は894名で、こちらも大規模な構成ですが、ゼミや演習など少人数制の教育もバランス良く整備されています。全体的に見れば慶應の方が母体が大きく、多彩な教育資源を享受できる環境にあるといえます。
男女の比率
慶應義塾大学経済学部では男子学生の比率が高く、特に上位層では男子比率が目立ちますが、女子学生の進出も年々増加しています。経済系分野での女性キャリア形成が社会的にも注目される中、ジェンダーに関係なく実力を重視する風土が根付いています。法政大学経済学部も同様に男子学生が多めの構成ですが、女子学生比率は比較的安定しており、特に公共政策・地域経済の分野では女性の活躍が目立ちます。どちらの大学も、男女の別なく学内活動や就職支援が行き届いており、性別による制限を感じることなく学生生活を送れる点は共通しています。
初年度納入金
慶應義塾大学経済学部の初年度納入金は146.8万円で、私立文系の中ではやや高めの設定です。学費に見合う授業・施設・キャリア支援が提供されており、投資としての納得感は高いと評価されています。法政大学経済学部の初年度納入金は129.9万円で、比較的標準的な水準に収まっており、都市型大学としては良心的な価格帯です。家計への負担を重視する受験生にとっては、奨学金制度の充実度と合わせて総合的な判断材料になります。
SNSでの評価
慶應義塾大学経済学部は、SNS上での注目度が極めて高く、ブランド大学としての情報発信力が際立っています。X(旧Twitter)やInstagramでは学生生活や就職活動、イベントの様子が広く共有され、現役生・卒業生の発信も活発です。法政大学経済学部も、学内でのプロジェクトやゼミ活動の紹介を通じて、堅実かつ親しみやすい印象を形成しています。大学公式アカウントを通じた情報提供も整っており、受験生や保護者にとって有益な情報が得られる場となっています。注目度では慶應、実用性のある発信では法政という特徴が見られます。
合格難易度(偏差値・倍率)

偏差値(マナビジョン)
慶應義塾大学経済学部の偏差値は79で、全国上位0.19%、約536人に1人という非常に高い難易度です。小論文や高度な思考力を問う試験が課されるため、単なる知識ではなく論理的思考と表現力の精度が鍵となります。法政大学経済学部の偏差値は68で、全国上位3.59%、約27.8人に1人という水準です。基礎重視の出題が中心で、標準問題に対応できる実力の定着が合格のカギとなります。
倍率
慶應義塾大学経済学部の倍率は3.4倍で、およそ3.4人に1人が合格する計算になります。試験難度はもちろん、受験者層も非常に厚いため、合格には相応の実力と戦略が不可欠です。法政大学経済学部の倍率は3.7倍で、およそ3.7人に1人の計算です。標準的な学力と戦略的な対策で十分に突破可能であり、志望動機や将来設計と合わせて準備することが求められます。どちらも一筋縄ではいきませんが、対策方法と出題傾向は明確に異なります。
卒業後の進路

有名企業の就職率
慶應義塾大学の有名企業就職率は43.9%と非常に高く、国内でも最上位クラスに位置します。経済学部はメガバンク・総合商社・コンサルティングファームなどに数多くの内定実績を持ち、OBOGネットワークの広さが就職活動を強力に支えています。早期からのキャリアガイダンス、企業説明会、インターンシップ紹介が豊富で、学生は自らの志望に応じた情報収集と準備が可能です。論理的思考力・分析力を養うカリキュラムと、課外活動との両立によって、就職市場での競争力を高めています。
一方、法政大学の有名企業就職率は20.8%で、MARCHの中でも安定した水準にあります。経済学部は地方銀行や保険、製造業など堅実な業界への就職が多く、経済理論に基づいた実践的な知識が評価されています。就職支援センターのサポート体制も整っており、履歴書添削や模擬面接のほか、業界研究セミナーや内定者報告会などの取り組みにより、学生の進路選択を多面的に支援しています。中堅大学としての強みを活かし、きめ細かなキャリア形成が可能な点が特徴です。
主な就職先
EYストラテジー・アンド・コンサルティング(24名)
三井住友信託銀行(23名)
東芝(名)
本田技研工業(名)
慶應義塾大学経済学部では有限責任監査法人トーマツ(28名)、EYストラテジー・アンド・コンサルティング(24名)、三井住友信託銀行(23名)など、日本を代表する大手企業への就職実績が並びます。人気企業への内定率も非常に高く、企業側からの評価が安定していることが伺えます。法政大学経済学部ではいすゞ自動車(ND名)、東芝(ND名)、本田技研工業(ND名)といった実績があり、安定志向の学生を中心に一定の評価を得ています。
進学率
慶應義塾大学経済学部では大学院への進学やMBA取得、海外大学院への留学希望者も一定数存在し、キャリアの多様化が進んでいます。特に研究職や政策立案を目指す学生にとっては、学内外の進学ルートが豊富で、制度的にもサポートが整っています。法政大学経済学部では学部卒業後すぐに就職する学生が大半を占めますが、一部では大学院や専門職大学院への進学も見られます。キャリアセンターによる進路相談やガイダンスが定期的に行われており、進学希望者に対しても丁寧な支援が提供されています。全体的には慶應が進学率でもやや優勢な傾向です。
留学生

受け入れ状況
慶應義塾大学には2207名の留学生が在籍しており、その多くが経済学・ビジネス系の分野を専攻しています。経済学部では英語による授業の開講や国際プログラムが充実しており、海外大学との共同教育プランも積極的に導入されています。特にダブルディグリープログラムや交換留学制度などを通じて、日常的に国際的な視点から経済を学べる環境が整っています。また、留学生サポートオフィスや日本語補講制度、国際交流イベントの開催により、学業面・生活面の両方で留学生の不安を軽減する支援体制が確立されています。
法政大学には1110名の留学生が在籍し、アジア圏を中心とした受け入れに力を入れています。経済学部ではグローバル経済の理解を深める外国人学生が一定数在籍し、国際色豊かな環境を形成しています。日本語教育をはじめ、学生生活のサポート、ビザ手続きの補助、住居斡旋まで、留学生支援体制が一通り整備されている点も安心材料です。留学生が積極的に学内イベントに参加できるような仕組みも設けられており、国内学生との相互理解が進むよう配慮されています。中規模大学としては留学生比率・対応力ともに高水準にあります。
海外提携校数
慶應義塾大学の海外提携大学数は335校と多岐にわたり、アメリカ・イギリス・フランス・中国・韓国など、世界各地の大学と強固な関係を築いています。経済学部ではこうしたネットワークを活かし、経済政策やグローバルビジネスをテーマにした共同プログラムや国際シンポジウムが定期的に開催されています。1セメスターまたは1年単位の交換留学制度、オンラインによる国際協働授業(COIL)などもあり、多様な方法で海外との接点を持つことが可能です。さらに、学生の語学力や専門性に応じた留学先の提案や履修調整のサポートも受けられ、実りある国際経験を積める体制が整っています。
法政大学の提携大学数は270校で、欧州・アジア・北米など多様な地域に展開しています。経済学部では、短期語学研修から学部間協定による長期派遣まで、段階的にステップアップできる制度が用意されており、留学経験の初歩を踏み出しやすい環境です。また、ハイブリッド型の国際プロジェクトや、海外大学との合同ゼミといった実践的な取り組みも行われており、帰国後の学びにも直結します。全学的にグローバル教育を推進しており、事前ガイダンスや学費支援などのサポート体制も含め、学生の挑戦を後押しする環境が整備されています。
結局慶應義塾大学経済学部と法政大学経済学部のどちらが良いか

総合的に見て、進路の選択肢やキャリア形成の柔軟性を重視するなら慶應義塾大学経済学部に軍配が上がります。偏差値・就職率・国際性のいずれの側面でも高い水準を保っており、日本屈指の経済系学部としての地位を確立しています。特に、外資系・総合商社・金融などの難関企業への強さと、大学院や海外への進学ルートの豊富さは大きな魅力です。一方で、法政大学経済学部は堅実で安定した学びと就職を志向する学生に適しています。コストパフォーマンスの高い学費、アクセスの良さ、実務的なカリキュラムなど、実直に力を伸ばしたい人には魅力的な選択肢です。目指すキャリアの明確さが、選択の分かれ目となるでしょう。