明治大学商学部と法政大学経営学部はどんな大学？
基本情報
| 項目 | 明治大学商学部 | 法政大学経営学部 |
|---|---|---|
| 学部設立 | 1949年 | 1952年 |
| 所在地 | 東京都千代田区神田駿河台1-1（御茶ノ水駅） | 東京都千代田区富士見2-17-1（飯田橋駅） |
| 学部理念 | 商学部は，「権利自由」・「独立自治」の明治大学建学の精神及び「学理実際兼ね通ずる人材の養成」という学部創設以来の基本的教育理念を継承しています。この教育理念のもとで，商学の専門と教養の「知の融合」を通じて，学生の内面に新たな価値観，人間観及び世界観を「創生」することにより，現代社会を理解する知識，課題解決のための思考力を身につけ，他者と積極的に関わり，正義を実現する社会において活躍できる有為な人材，具体的には，新たな時代を担って世界で広く活躍できる人間の育成を目指しています。 | 本学部は、経営学を中心として、広く経済学・商学・情報・一般教養等の理論の修得と実践を通して、幅広い知識と自由な発想の上に立ち、産業の技術的進歩に対応して実務的能力を発揮しうる人材を育成することを基本理念・目的としている。 |
明治大学商学部は1904年に設立され、東京都千代田区の御茶ノ水キャンパスに位置しています。最寄駅はJR中央線御茶ノ水駅で、都市型キャンパスの利便性とアカデミックな雰囲気を兼ね備えています。アドミッションポリシーでは、商学に関心を持ち、理論と実践の両側面からビジネスを考える力を養いたい学生を求めています。特に簿記・会計・マーケティング・経営戦略など、商業の全領域を体系的に学べる点が魅力です。法政大学経営学部は1959年に設立され、市ヶ谷キャンパスに所在し、最寄駅はJR中央線市ヶ谷駅です。アドミッションポリシーでは、組織・市場・人材の理解を通じて経営課題に取り組み、チームで協働できる人材の育成を目指しています。両学部とも実務的な内容を含む商学系学部でありながら、教育方針や重視する分野に違いがあり、受験生には将来像との整合性が問われます。
大学の規模
明治大学商学部の学生数は1150人で、1学年あたりの定員も多く、全国から多様な学生が集まる大規模学部です。規模が大きいながらも、ゼミナール制度が整備されており、3年次以降は少人数教育による専門研究が可能です。授業は商学理論の体系的理解と、現場を意識した応用的内容の双方に力を入れており、会計士や税理士志望の学生にも対応した教育内容となっています。一方、法政大学経営学部の学生数は781人で、中〜大規模の構成です。マーケティングや組織論、戦略論といったビジネスの基礎を丁寧に教えつつ、PBL型の授業や産学連携プログラムなどを積極的に取り入れており、実務と接続した教育体制が整っています。両学部とも人数に応じた学修支援体制が整備されており、学生一人ひとりに合わせた学びが可能です。
男女の比率
明治大学商学部の男女比は、69.7 : 30.3で、男性がやや多い構成となっています。男子学生の割合は69.7%、女子学生は30.3%で、近年では会計・金融・マーケティング分野を志す女子学生の割合も増加傾向にあります。ゼミ活動やディスカッション形式の授業では、性別に関わらず活発な意見交換が行われており、性別による役割分担や偏見の少ない、実力本位の学修環境が整っています。こうした背景から、性別を超えた協働的な学びが成立しており、大学としての多様性や包摂性が学生にとっても大きな安心材料となっています。
法政大学経営学部の男女比は、61 : 39で、男女ほぼ均等に近い構成となっています。男性比率は61%、女性比率は39%で、年によっては女子学生がやや多くなることもあります。特にマーケティングや人材マネジメント系の分野では、女性学生の参加が多く、グループ学習やプロジェクト授業においても多様な視点が自然に取り入れられています。性別の偏りが少ない点は、キャンパスの雰囲気や人間関係にも良い影響を与えており、互いを尊重しながら主体的に学ぶ姿勢が醸成されています。性別によらず活躍できる環境が整っていることは、本学部の大きな特長といえるでしょう。
初年度納入金
明治大学商学部の初年度納入金は132.9万円で、私立文系学部としては標準よりやや高めの水準です。ただし、その分教育支援体制が手厚く、キャリアセンター・資格支援講座・実践的な学びの機会など、費用に見合う環境が整備されています。特に会計やマーケティング分野に強い学部であり、学内での実務教育の質も非常に高いとされています。法政大学経営学部の初年度納入金は129.9万円で、私立文系としては平均的な金額です。納入金に対して教育内容の実践性が高く、PBLやフィールドスタディなど、現場と直結した体験学習が組み込まれており、学費以上の成果が得られる設計となっています。学費の違いはありますが、コストパフォーマンスを重視するなら法政、ブランドや支援の充実度を求めるなら明治といえます。
SNSでの評価
明治大学商学部は、SNS上での発信量も多く、特にInstagramやX（旧Twitter）ではゼミやサークル、キャリアイベントの情報が豊富に共有されています。「明大商」としてのブランド力も強く、資格取得や公認会計士試験への挑戦といった内容が多く見られ、学びへの真剣度が伝わってきます。その一方で、キャンパスライフの楽しさやサークル活動の活発さも投稿されており、勉強と学生生活のバランスが取れた雰囲気が感じられます。法政大学経営学部のSNSでは、学生による企業訪問やビジネスコンテストへの参加報告、グループプロジェクトの成果発表など、実務的な活動に関する投稿が多く見受けられます。ゼミナール活動や学外連携イベントを通じて得られる成長機会に対する満足度の高さが伺えます。全体としては、ブランド力と情報量では明治が優位であり、実践的な学びや落ち着いた学生生活の発信では法政が特徴を示しています。
合格難易度（偏差値・倍率）
偏差値(マナビジョン)
明治大学商学部の偏差値は73で、全国上位1.07%、約93.2人に1人という高いレベルに位置します。MARCHの中でも商学部は特に人気が高く、受験倍率も例年安定して高水準を維持しています。入試問題は思考力を要する構成が多く、英語・国語・選択科目のバランスの良さとスピード処理力が求められます。一方、法政大学経営学部の偏差値は71で、全国上位1.79%、約56人に1人の層に位置します。標準的な私立文系入試であり、得点戦略と基礎力の定着が勝負を分ける形式です。偏差値で見れば明治が上回りますが、出題傾向や受験戦略の相性も踏まえた検討が必要です。
倍率
明治大学商学部の倍率は約4.7人に1人で、MARCHの中でも高倍率の学部に位置付けられます。全学部日程、学部別日程、共通テスト利用など多様な方式が存在し、それぞれに特徴的な出題傾向があるため、複数方式で受験する戦略が一般的です。問題は思考力・スピード・読解力を求める構成であり、総合的な学力が問われます。法政大学経営学部の倍率は4.7人に1人で、標準的な倍率に収まっています。一般選抜に加え、共通テスト利用や推薦型選抜も実施されており、チャンスを広げながら入試に挑むことができます。学力や対策の柔軟性を重視する受験生にとっては、法政の入試設計の方が取り組みやすい面もあります。倍率以上に、出題内容と自分の得意分野の相性が合うかどうかが鍵となります。
卒業後の進路
有名企業の就職率
明治大学の有名企業就職率は29.8%で、MARCHの中でも高い水準を誇ります。特に商学部は、金融・保険・メーカー・商社など安定感のある大手企業に多数の内定者を輩出しており、就職活動へのサポート体制も整っています。学部内のゼミ活動やキャリア支援講座、インターンシップの導入率が高く、早い段階からキャリア意識を高める仕組みが構築されています。また、会計士や中小企業診断士などの資格取得を目指す学生にも専門的な支援があり、職種や業界の幅広さが進路選択の柔軟性を支えています。法政大学の有名企業就職率は20.8%で、こちらもMARCH内で堅実な数値を維持しています。経営学部では実務的な学びを活かして、営業職や人事・企画職などへの就職が多く、企業との連携授業やPBL（課題解決型学習）で得た実践力が評価されています。ブランド面では明治にやや軍配が上がるものの、実務スキルを重視する学生にとって法政も十分な実績を備えた選択肢です。
主な就職先
みずほフィナンシャルグループ（14名）
あいおいニッセイ同和損害保険（10名）
山崎製パン（名）
アサヒビール（名）
明治大学商学部の主な就職先は、EY新日本（15名）、みずほフィナンシャルグループ（14名）、あいおいニッセイ同和損害保険（10名）など、全国的に知名度の高い企業が並びます。金融・保険業界への就職が強く、さらに近年ではIT・コンサル・広告業界への進出も目立ちます。OB・OGのネットワークも強く、企業説明会やインターンシップ紹介など、在学生のキャリア支援にも積極的に関与しています。法政大学経営学部の主な就職先は、積水ハウス（ND名）、山崎製パン（ND名）、アサヒビール（ND名）で、こちらもメーカーや流通業界に強みを持ちます。営業職や管理部門、地域密着型企業への就職も多く、地に足のついた就職実績が特徴です。
進学率
明治大学の進学率は2.62%で、商学部の学生の中には大学院で商学研究や経営・会計をさらに深める者も一定数存在します。特に明治大学大学院商学研究科への進学者が多く、研究志向の強い学生や、税理士・公認会計士などの資格取得後のキャリアアップを図る学生が中心です。また、MBAやビジネススクールへの進学希望者も見られ、実務との接続を意識した進学スタイルが主流となっています。一方、法政大学の進学率は0.88%で、経営学研究科や法政大学ビジネススクールへの進学者が中心となっています。特に社会人学生との混在による学び直しやリスキリングの場として機能しており、在学生が現場経験を経てから進学するケースも多く見られます。両学部とも進学者の割合は多くはありませんが、進学先や目的に応じた柔軟な選択が可能な体制が整っています。
留学生
受け入れ状況
明治大学は約1619名の留学生を受け入れており、国際交流に力を入れている大学の一つです。商学部では、英語開講科目や留学生との合同授業、短期交換プログラムが整備されており、日常的に異文化に触れることができる環境が構築されています。さらに、日本人学生も海外のビジネス文化を学ぶ授業やイベントに参加できる機会が多く、国際的な視野を広げる仕組みが浸透しています。法政大学は1110名の留学生を受け入れており、特にアジア圏を中心にした学生の比率が高いのが特徴です。経営学部においても英語によるプレゼンテーションや多国籍グループでのプロジェクト学習など、国際ビジネスに通じる基礎を養う授業が展開されています。両大学とも、国際化の取り組みに積極的であり、外国人学生との共修によって実践的な異文化理解力を培うことができます。
海外提携校数
明治大学商学部は海外提携大学を382校持ち、アジア・欧州・北米を中心にネットワークを広げています。語学研修や短期留学に加え、専門分野に関連する派遣制度も整っており、留学前後の学修フォローも充実しています。商学部では英語圏の大学との提携を活かしたダブルディグリーや交換留学制度が利用でき、国際経営やマーケティングを学ぶ上での実践機会が数多く提供されています。法政大学経営学部の提携大学数は270校で、特にアメリカ・オーストラリア・欧州圏との交換留学が盛んです。学部独自の短期・長期プログラムに加えて、海外インターンシップや協定校派遣制度も充実しており、国際経験を積みたい学生にとって好機が多く存在します。両者ともに国際的な環境での学びを重視しており、将来的に海外でのビジネス展開を志す学生には大きなアドバンテージとなります。
結局明治大学商学部と法政大学経営学部のどちらが良いか
明治大学商学部と法政大学経営学部は、いずれもビジネスを中心とした専門教育を提供する学部ですが、その性格と学びのスタイルには明確な違いがあります。明治大学商学部は、学部自体のブランド力や就職実績、資格支援の手厚さに優れており、特に会計・金融・経営戦略の各分野での専門性を高めたい学生にとって非常に魅力的です。OB・OGネットワークの強さや全国的な知名度も後押しとなり、就職活動における優位性が期待できます。法政大学経営学部は、より実務に直結した授業構成と企業連携によるPBL型学習が充実しており、現場での対応力を身につけたい学生には最適な環境が整っています。特に営業・企画・人事といった実働系のキャリアを目指す学生には、実践を通じて成長できる機会が豊富です。将来の志望業界や学びのスタイル、大学生活における価値観に応じて、自分に合った学部を見極めることが、最も重要な選択の基準となるでしょう。